古事記を読んだ歴史上の人物〜@〜
小泉 八雲

先日、カーラジオを聴いていると、視聴者からの投稿を紹介する番組が耳に止まりました。
その視聴者の言葉に感動しましたので、ここに紹介します。

「今日、主人と二人で稲刈りをしました。汗ばんできたので、少し休んでいると、突然、どこからともなく二匹の「赤とんぼ」がファ〜ファと目の前に現れました。その二匹の「赤とんぼ」は仲がよくて、まるでダンスを踊ってくれているようで、しばらく私たちを楽しませてくれました。「とんぼ」さん、「ありがとう」を言い、手を合わせると、どこともなく消えて行きました。今年も無事に稲刈りも終え、「田んぼ」さんに、今年も豊作をありがとう、来年も宜しくと、頭を下げました」。

イギリス人の作家、ラフカディオ・ハーン氏は日本のことを「神々の国」と称賛しました。彼は英訳の『古事記』を読んで、古事記に記された日本神話の神々が今も日本全国の神社にご鎮座されており また神々に繋がる家系の皇室が人々から敬われていることを知り、驚きと敬愛の気持ちをこめて著書に書き留めています。彼が憧れた古代ギリシャ神話の神々を祭る神殿の多くは、廃墟となっています。
これは、ギリシャだけではありません。ローマ、エジプト等の世界いずれの古い文明を持つ民族にも、神話やそれにつながる王朝があったが、戦争や宗教上の争い、近代思想教育による道徳の欠如等で滅ぼされたのでした。日本は近代化を成し遂げた先進国でありながら紀元前660年から現在まで、萬世一系の神話に繋がる皇室が存在する。 各地の神社には多くの人々が参拝し祈りを捧げている。その光景を目のあたりにして 彼が驚き、感激したのも無理はないと思います。
1890(明治23)年に39歳で来日し、日本人女性と結婚後、日本人となったラフカディオ・ハーン氏は、日本名「小泉八雲」と名乗り、日本の文化、伝統、人々の心の素晴らしさを広く世界に紹介しましたが、晩年に彼はこのようにも述べています。

「日本の場合は危険がある。古くからの質素で健全な、自然で節度ある誠実な生活様式を捨て去る危険である。質素さを保つ限りは、日本は強いだろう。しかし、贅沢な思考を取り入れたなら、日本は弱くなっていくと考える」と、・・・・・

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